●一致団結●
襄州城、ここが落ちれば長江以南に兵はなく無人の荒野を進むが如く
兵は我が子の如く、時には厳しく、そして優しく
齢69歳、尊崇を集めた恒爺爺は力尽きた
彼の半生は不満から始まっている
れっきとした科挙合格者、文官である
しかし彼を見る目は敵味方総じて「将軍」である
この襄州太守を任せられてからは民を守のに必死だった獅子奮迅、死ぬような思いもした
それに朝廷は猜疑心で報いた、曰く「逆心の恐れアリ」
物資もなく、孤軍奮闘、投げ出したかった、不本意だった、それでも民達の期待に背けなかった
「卿等、長江を守れ、この地を守れ、我が天命をして・・・」
最後の言葉である
朝廷からの贈り物は空虚な賛辞と新たな太守着任者である
文官としてはどうだか知らぬが軍事的な素人な人材をこのポストに置く
朝廷の意図ははっきりとしている、軍閥を恐れているのだ
「このような時に」
残された将兵は言い知れぬ怒りに包まれていた
しかし生きている者は明日も生きる義務があるのだ