中華歴773年 秋
蔡王朝悲願の土地、蔡州の守備が手薄との報が入る。
荊州軍閥の首脳陣は会議に入るも結論は出ず。
錦国蔡州田知事は偽りの噂をながし荊州首脳陣を困惑させる。
「図らずも蔡州知事は漢人であり、突厥民族では無い、であるならば外交で懐柔すべし」
荊州首脳陣の意見がまとまる、これこそが田知事のシナリオにそう形となる。
危険な敵国潜伏という荒技を蜀州知事の嫡子呂文静はやってのけ、
田知事との会見の場を得る、終始和やかに進むも呂文静には一つの疑念を覚える。
果たして投降の日、呂文静の命により兵士達には振る舞われる食事を食することを禁ずる。
事前に事破れたと知る田知事、慌てるそぶりも無く謀を慎み荊州軍閥の信を得る方策とする。

同月、蔡王朝が首都、臨安府が陥落との報が入る。
蔡州の防備の薄くなった訳はこれであることを知る。
荊州軍閥は皇太子を押し立て首都奪回を誓う。
独力では不可能であると判断した皇太子一行は
蜀州の知事である、最後の英雄、呂知事に力を借りる為使者を放つ。
帰ってきた使者は顔を青ざめ呂知事危篤の報を鳴らす。


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